Vol.10 産後骨盤ダイエット by.山田光敏
この本を選んだ理由
前々回読んだ本に本著が紹介されていたため
概要
出産翌日から行えるエクササイズが時期別に紹介されている
骨盤に観点をおいて、そのエクササイズの目的を理解しながら行えるように記載されている
また、産後に気になるパーツ毎のエクササイズも紹介されている
学んだ事
- 正しさと機能的の違い
座り方立ち方歩き方の正しい理想の形があります
しかし、それらを知っても実践できるかどうかは別の話です
なぜならば「正しさ」は「美しい見た目」のためにどうあればよいかを求めているからです
本来であれば、理想通りに体を動かす法が体への負担が少ないのですが、間違った状態で体が覚えてしまっているために、理想の行いが「やりにくい」と感じてしまいます
そこで、「動かしやすい」に重点をおいて姿勢を見直す事が大切です
構造を理解して、それぞれの機能を果たすことができれば、余分な筋肉が発達することもなく、不要な老廃物が溜まることもありません
結果的は同じですが、そこに至る過程には「続けやすい」が加わるため、機能的な姿勢を求めるほうがより早く持続する美しさが手に入ります
感想
『産後美尻ダイエット』は産後の体を労わってくれる本だと印象をうけましたが、本著は「これだけ努力をしなければいけない」と圧を感じました
産後のあわただしい時期に手間をとらせないように必要なことを読みやすくコンパクトにまとめた結果かもしれませんが、ToDoリストの印象をうけました
しかし、必要な情報はつまっていると感じたので、辞書のように必要な部分を検索して活用させていただきます
Vol.9 小学生までの「男の子」の育て方 by.『PHPのびのび子育て』編集部
この本を選んだ理由
初めての子育てに毎日奮闘しています
こどもの成長に備えて、できることや気を付けておくことを事前に学びたいと思い読んでみました
概要
11人の様々な専門家・子育て経験者がそれぞれの分野から子育てメソッドを説いている
主に小学低学年のこどもに対しての事柄が記載されている
学んだ事
- こどもと自分は異なる人である
- 観察と理解する努力の必要性
- 叱るときは過去を持ち出さない、褒めるときは過程を重視
「自分はこうされて嫌だった」「これをしてもらって嬉しかった」初めての子育てをする上で自分の経験を振り返り参考にすることは多く、間違いではありません。しかし、それが嬉しい・嫌だと判断するのは親ではなくこども本人です。いろいろとやってみることはよいが、「嬉しいだろう」と押し付けるのではなく、「私は嬉しかったけどこの子はどうかな?」と必ず反応を確認する必要があります。楽しいことや嫌なことは親が決めることではないからです。
こどもは無限の可能性があります。様々なものに触れさせて何かに興味を持ったとき、たくさんの事柄がリンクしあうようにすれば世界が深く広がっていきます。好きなものと関連して色々な物事と関わる機会を与えるようにしましょう。ここで大切なのは、私たち親が興味をもってほしいものと実際にこどもが気になるものは一致しないかもしれないことを知っていることです。そして予想外の物事に興味をもった時、それを受け入れその世界観に寄り添うことです。こどもは独特の世界をもっています。大人が想像もつかない壮大な世界です。そこに飛び込んで本気のごっこ遊びをしてみることはとても大切なことです。
嘘をつく・物を壊すなどいけない事をしてしまったときはその現象のみを叱ることが大切です。「あの時も」「前にも言ったのに」と過去を引き合いにだすと、どんどんとネガティブなイメージが積み重なって自信を喪失してしまいます。叱るときは現象を”注意”してイラッとしてしまった親の”感情”は飲み込みましょう。叱られたこどもは悲しい気持ちになります。謝罪・反省の後はきっちりと空気を切り、抱きしめるなどをしてこどもを肯定しましょう。気持ちの切り替えを繰り返して、感情をコントロールできるようになってきます。
新しいことができた・よいことができたときはその現象ではなく、そこに至る過程を評価しましょう。結果のみを肯定すると、「成果がでなければ意味がない」と新しいことにチャレンジしてみる意欲や自分を認める自信が減少してしまいます。
大切なのは、「自分を肯定すること」「新しいことにチャレンジすること」「感情をコントロールすること」ができるようになることです。そうなれば何に興味をもっても失敗しても、様々な経験を活かせる人物になれるでしょう。そのために私たち親が子供にしてあげられることは、「あるがままを受け入れる」ことだけです。
感想
まだ生後6カ月の息子への準備として拝読しました。「小学生までの」とあったので6歳までの子に有益な事が記載されているかと思いきや、小学低学年に該当する事柄がたくさん記載されていたので期待とは異なりましたが、今後の心構えとして読むことができました。
こどもに対してというより、主人とうまくコミュニケーションがとれない時は記載の「ダメな叱り方」「ダメな褒め方」に該当しているなと感じました。
なので、私が今やっている人とのコミュニケーションの取り方は相手の可能性を潰してしまっていることに気づきました。今は息子を注意することもほとんどありませんが、その時のために主人とのやり取りで人との関わり方を練習していきたいと思います。
Vol.8 産後美尻ダイエット by.山田光敏
この本を選んだ理由
下半身を鍛えるにあたり、通常時と産後で気を付けるべきことを学びたいと思ったから
概要
妊娠・出産における体の変化のメカニズムの説明と、産後三カ月で本書のエクササイズを行うことのメリットが詳しく説明されている
また、産後の体を労わってよい理由が理論的に記されている
学んだ事
- 産後体型が崩れる3つの原因
- 下半身痩せと産後ケアの違い
骨格・筋肉・体液が変化するために産後は体型が変化してしまう。
産道から胎児がでてくるために骨盤がひらく。徐々に大きく育つ胎児がお腹にいるため、重心がかわり、利用する筋肉が変わる。出産時の出血に備えて血液が薄く量が増えるため、浸透圧で細胞から発生する老廃物を排出することが困難になる。
これらを10カ月ほどの長い期間を経て変化するので、体に恒常性ができ、妊娠期の状態を保とうとしてしまう。
下半身を引き締めるために注目する筋肉や骨格は妊娠前後であまり変わらない。
骨盤・中臀筋・骨盤底筋群などだ。
しかし、妊娠前後では筋肉の状態は明らかに異なる。
出産ではあらゆる筋肉を損傷しているため、巷の激しい筋トレやエクササイズは筋肉の回復を妨げ、時には損傷した状態を是とし保ってしまうことさえある。
よって、産後のケアでは、10ヵ月かけて整えた構造と出産で傷ついた筋肉を回復するために、ゆっくり刺激を与える必要がある。
また、脚痩せのマッサージなどでは緊張した筋肉をほぐす事が多いが、出産では筋肉が弛緩している筋肉も多いため、ほぐす・引き締める・整える等パーツ毎に目的をもってケアをすることが大切である。
感想
「自分のことよりも子供優先」があたり前に思われています。実際はこどもがかわいくて自分のことを後回しにしてしまったり、家事の手を抜くと罪悪感が募ります。
妊娠・出産はたくさんの奇跡が積み重なったとても幸せなものだと思われいるのに、その奇跡を起こした体を労わるのは贅沢だとする風潮があるのは不思議ですね。
本著では、そんな幸せな奇跡を体験した体を大切に慈しんでよいのだ、むしろ必要なのだという理由が論理的に記されています。
産後の体をケアすることで、母乳の出がよくなる理由、産後鬱が発生しづらくなる理由、子供の夜泣きが減る理由がとても分かりやすく書かれています。
本著を手に取った時は「育児も家事も美容もさぁ頑張るぞ!」と意気込んでいましたが、読み終わる頃にはもっと肩の力が抜けて、できることから始めてみようとゆとりが生まれたように思います。
当初の目的とは外れましたが、このタイミングで読んでよかったです。
Vol.6 専門医が教えるデトックス by.辻直樹
この本を選んだ理由
私が美容を志すなかで、食べるものを制限するよりも、不要なものを排出する力を高めたいと考えています
そのため、本書をてにとりました
概要
私たちの体は常に毒の危険に脅かされている
大きくわけると酸化、糖化、炎症 の3つである
この3つに対してそれぞれ詳しい解説と対処方法が説明されているが、最終的には水素がどれだけ素晴らしいかを説いている
学んだこと
- 酸化、糖化、炎症のメカニズム
- 結局は適度な運動とバランスのよい食事が大切
酸化、糖化、炎症はそもそも体を守る自己防衛反応からなる
酸化は体内をめぐり細菌から体を守る活性酸素がストレスや紫外線、過剰な運動等で強すぎる酸化力をもつ悪玉活性酸素が発生している状態を指す
糖化とは本来エネルギーとして使われるはずの糖分が、過剰摂取により肝臓や脂肪にも蓄えきれなくなり、血中であふれかえり高血糖の状態が続いた末にタンパク質と結合しAGEsという老化物質となることを指す
AGEsは分解されにくい物質であり、活性酸素を生み出したり炎症のもととなるサイトカインを生み出してしまう
炎症とは免疫反応のひとつで、外敵の侵入から体を守るが、長時間その作用が続いた場合は体へのダメージが蓄積してしまう
長時間続く炎症の原因には遅延型フードアレルギーや消化管に取りついたウィルス・菌があげられる
上記の3つは互いに作用しあい、負の相乗効果をもってより悪い状態を引き起こす
何が自分の体に合わないかを知り、新しくスーパーフードを取り入れるよりも、習慣化している間食やカフェイン、アルコールの摂取を制限することから始めるのがよい
新しく何かを始めると、達成感につながりやすいが、まずは上記3つの毒を減らすことがデトックスの第一歩となる
感想
3つの毒について非常にわかりやすく簡易に説明されているのでとても理解しやすかった
やはり、制限できるのは自分の意思で摂取する食物だけなので、リラックスした状態でよく噛んで食事をしようと改めて感じた
ストレスは避けようがないので、深呼吸して物事を俯瞰でみる習慣をつけ、自分に合った発散方法を探すのがよいかと思う
「健康のために」「美容のために」と新しいマッサージグッズを購入したり、健康補助食品を摂取してみることは悪いことではないが、もっと簡単に始められることがある
それは「辞めることを始める」ことだ
私たちの体は口からいれたもので構成され、行動で形がつくられていく
そのため、現状の姿があるのは日々の生活の結果なのだ
毎日の習慣の中で原因があるため、それらを取り除こうとしない限り問題は解決されない
健康や美容について考える度に、元からある力を高め、本来の輝きを取り戻すのが理想と考えてきたが、本書の「辞めることを始める」が私にはとても響いた
Vol.5 いくつになっても綺麗でいられる人の究極の方法 by.カツア・ワタナベ
この本を選んだ理由
私が人を魅力に感じる時のポイントに'歳を感じない’ということがあります
そのため、自分もそう在りたいと思い読んでみました
概要
3つのキーワード「美」「健康」「長寿」の観点から綺麗でいるために必要なことを説明している。
また、美しく健康的でなければ長寿は手に入らないことも書かれている。
学んだこと
- 3つのキーワード「美」「健康」「長寿」
- 加齢は止められないが老化はコントロールできる
著者は綺麗というのは、人に魅力的であると思われることであるという。
個性がありながらも他者に寛容であることを魅力と説いている。
長い時間があれば、多様な経験を積み、心を豊かに落ち着きと余裕をもつ可能性が広がる。そのため、長生きが綺麗であることのキーワードの一つとなる。
しかし、ただ長生きしているだけでは魅力は生まれない。「考えて、行動して、楽しむ」これを繰り返すことで様々な思考や感情が蓄積して深みのある輝きを手に入れることができる。
長生きをするためには健康である必要がある。健康でいるためには、自分の体に関心をもちケアを行う必要がある。そのため、長生きは健康と美が満たされて初めて手に入れることができる。
加齢とは時とともに必ず増加する。しかし、老化とは細胞の劣化であるため、正しいケアを行えばゆっくりと遅らせる、あるいは逆行させることもできる。
細胞は自分が食べた食物から作られ、紫外線の影響を受ける。そのため、オーガニックのグルテンフリーの食事をとり、紫外線対策を行えばよい。
また、自意識も重要である。時間とは絶対的なものというニュートンの考え方もあるが、アインシュタインは相対的なものと説いている。
「もう〇〇歳」ではなく、「まだ〇〇歳」と思い行動することで細胞の劣化にブレーキをかけることができる。
感想
これまで私は「若さだけが価値ではない、年相応の美しさを手に入れたい」と考えていました。しかし、そのせいで自分の思考をストップさせていました。
「27歳になるか、結婚したらショートパンツは履かない」
年甲斐もなく脚を露出させることはみっともない、また、母になっても肌を出すのは恥ずかしいことだと考えていました。
「〇〇歳になったら辞める」「始めるのは〇〇歳になってから」と制限をかけて、自分の体と向き合うことを放棄していることに気づきました。
たしかに、手入れのされていない脚をだすのは恥ずかしいです。
そうであれば、いくつになっても27歳の脚をキープしていればよいと考え直しました。
目標・基準を「綺麗な脚」と定めて、そこに向かって必要な知識を得てケアを行っていけば私が満足する脚は手に入るのです。
食事の方法については共感できない部分もありましたが、それでもよいと思います。
人の体はそれぞれ異なるので、正解は一つだけではないからです。
ベーシックな意見をもって、新しい知識や見解から刺激をうけて見聞を深めていきたいと思いました。
何かを始めることに遅すぎることも早すぎることもない
老化に限らず、自分の心と体をコントロールして私が好きな私で在るように楽しいことを楽しもうと思えた書籍でした。
Vol.4 最高の子育てベスト55 by.トレーシー・カチロー
この本を選んだ理由
主人からのいきなりの課題図書
概要
妊娠中から未就学児の子育て方法について著者の経験と科学的根拠を下記8つの項目に着目してまとめた本。
“愛情” “語りかけ” “生活習慣” “遊び” “つながり” “しつけ” “動く” “スローダウン”
とくに、3~7歳までの育児について詳しく書かれている。
学んだ事
・言い方の重要性
・育児に絶対の正解はない
・一緒に楽しむこと
対 子供、対 夫においても伝えたい内容以上に伝え方が大事である。
言いたいことよりも、自分の感情を整理した上で相手にどうしてほしいかを伝える、もしくは一緒に考える時間を設けることが重要。
また、なぜ叱るのか、評価したかを伝えることも重要。「人をたたいてはいけません」よりも、「嫌なことがあったんだね。でも、たたかれた人は痛くて悲しい気持ちになるから、相手をたたいてはいけないよね」、「かけっこ1番になってすごいね」よりも、「練習頑張ったから1番になれたんだね!すごいね」など。
子供同士でも同じ子はいないし、自分と子供も違う個人である。
そのため、周りと比べる必要はないし、自分の子供時代を参考にするのはいいが、自分が好きなこと、よかれと思ってしたことが必要ではないこともある。
反応を見て、様子を伺って、一緒に成功も失敗もすることが大事である。心配しなくとも、チャンスは1度ではなく、何度も反省してやり直すタイミングがあり、変化を楽しむ。
それでもなお、自分の予想に反して結果が生じてしまうとイラっとしたり、感情が高ぶることも必ず発生する。
その時は前述したとおり、自分の感情を整理して、自分のすべき事を考え直してみる。
夫、両親、友人、近所づきあい、クリニックなど、頼れる手は存分に頼るのが子と母と父のためである。
感想
まず最初に感じたのは、時系列でまとめてほしいということでした。
私が今ほしい情報は 妊娠中~生後3カ月の間にやるべきことです。
たどたどしくも言葉でのコミュニケーションがとれるようになってからのアドバイスが多く、今読んでもたぶんその頃には記憶の片隅にあるかさえ疑わしいです。
漠然と「こういう子育てがいいのかな」というのは主人と話し合っているのですが、本書でも記述がありましたが、こどものタイプによって効果的なことが異なるので、事前に練った計画が功を奏しないことも当然あります。
そして、私はMyルールに勝手に縛られて一人で落ち込み自滅してきた経験が何度もあるので、先のことをあまり綿密に考えないようにしています。
なので、特に1歳以降についての記述については「へーそういう考え方もあるのか」というスタンスで読み進めておりましたが、途中で「これは今に該当するな」というのが突然やってきて、思考を切り替える必要があり苦労しました。
また、年月が過ぎて本書を読み返した時に、「そういえば、1歳の時にはこれがいいって書いてあるの忘れてた!もう3歳だ!やってあげればよかった」とかになりそうです。
他の方法でもいくらでもリカバリ効くだろうし、今のうちから響いた箇所に付箋貼るなり線引くなりもできますが。
しかし、落ち着いて考えてみると、時系列にまとまっていなくてよいかもしれない点もみえてきました。
時系列に沿ってあると、その時々で「あれしなきゃ」「こうしてあげなきゃ」というすべき思考になってしまいそうです。ベスト55の子育て方法をすべてクリアしないといけない脅迫観念も生じるかもしれません。
ところが、本書の書き方であれば、ベスト55のうち素直にいいなと思った箇所しか覚えていないので、おおらかにかまえることができます。不安に感じることがあれば、関連しそうな箇所を読み返してみればいいのです。
子育てに正解はないからこそ不安な時は必ずやってくるそうです。
そんなときのお助け本、事前に知っていたらもしかしたら役に立つかもしれないアドバイス集として活用できそうです。
Vol.3 風をつかまえた少年 by.ウィリアム・カムクワンバ / ブライアン・ミーラー
風をつかまえた少年 | ウィリアム・カムクワンバ, ブライアン・ミーラー, 池上 彰(解説), 田口 俊樹 |本 | 通販 | Amazon
この本を選んだ理由
主人からの勧めです。
働く意欲が湧くからと。
勧めてくれた時の言葉
「風力発電を自力でつくった少年の話。支援は物資ではなく、知識や環境であるべきと考えさせられた。今の自分は価値を生み出せているのか、本気で生きているのかを自問自答させてくれる本」
概要
黒魔術が信じられているようなアフリカの村で暮らす少年が主人公のノンフィクション。
サバイバルで貧困な生活から、“電気”の重要性を考え、自作で発電機を作るまでの話。
学んだこと
・意味のない経験はない
・考えることの重大性
主人公は幼少期にラジオを解体したり、電池をつなげなおしたりする遊びを経て、ラジオ修理の小さな商売を行った。その時、電気の並列接続と直列接続の違いや電圧について試行錯誤の元で学んでいく。
飢饉で学校を中退せざるを得なくなった後、ようやく収穫期までこぎつけて時間ができると、その時間で何か価値のあることをしたいと考え、できたばかりの図書館でひたすら本を読み、勉学の遅れを取り戻すことを選択した。
その中で物理の本と出会う。その本は難解であったため、図書館の管理人に「君にはまだ早いのでは?」と尋ねられるも、「僕は今これが知りたい」と話す。“周りと比べて足りないもの”を補うことから、“自分が心から欲するもの”を考えて勉強する対象をシフトしていく。
物理の本からは、幼少期の経験で学んだ電気のしくみを理論で学ぶことになる。“事実”として認識していた現象の一つ一つが理論でつながっていくことで、経験が知識となり、発電機を製作する知恵に発展していく。
感想
いつの時代の話なんだろうと思った。冒頭からいきなりでてくる黒魔術の話や、飢饉・貧困に耐える話など、主人公のバックグラウンドを知るほどに、2,30年前の話かなと感じながら読み進めていた。なんと恥ずかしいことに、主人公と私は1歳しか歳が離れていなかったことに驚いた。
私が「学校めんどい」「夕飯まで待てないからおやつ食べよ」と考えている間、地球の反対側ではこんか事が起こっていたのかと恥ずかしくなった。
そんな私が主人公を最も尊敬する部分は発電機を作る目的です。
彼は電気が作れれば、家業の作業のいくつかを自動化でき、時間を買えると考えました。
ここがすごいです。作業を楽にする方法として、人を雇うでもなく、手を早く動かすでもなく、人の手を電気に変えようと考えることがすごい。
私であれば「頑張ればいい」という精神論に走るか、「そういうものだから」と考えることすら放棄してしまいそうですが、彼は違いました。具体的に、不作な年でもどうすれば最低限の収入を得られるか、政権に振り回されることなく自力で備えるにはどうすればいいかを考えたのです。そしていきついたのが、時間を買うために発電機をつくることだったのです。
目に見えない時間を買うという概念は、とても大切ですが見落としてしまうものです。
多忙な仕事や生活をする上で、誰もが思ったことがあるはずです。「自分にだけあと2時間あればいいのに」と。その時間で他の人より仕事を進めたい!休息をとりたい!
でも、時間をつくる努力は後回し、もしくはやらない、そして「仕方ない」であきらめる。
この主人公は違います。電気を使えるようにすることで、まずは眠るしか選択肢のなかった夜の真っ暗な家を照らし、家族の時間と勉強する時間をつくりました。
私たちはもう明るい部屋があります。そこで何をしようか。自分がつくりたい価値は何かを考えるところから始めます。